君は、神か?

これから、決断しなければいけない。

このまま、仕事を続けるべきか

答えたい。という意地

馬鹿な選択だ。答えは、決まってる。

続けることこそが、現場に穴をあけることになる。

一つの製品を作り上げるのに、多くの人員をかけることは、コストも掛かるし、出来上がった製品を高く売らなければいけなくなるので、

よりよい品を より安く お客様に提供する

というのに、そぐわない。

だけどね。

工程ごとに、その道何十年って、職人がいる。

彼らは、「お金有りき」よりも、「意地」がある。

もちろん、「職人の意地」ってやつが、「私だから、この仕事が出来るんだ」って意地だったり、「私の作った製品で喜んでくれる人がいることが幸せ」って意地だったり、いっぱい並べようと思えば出て来ると思うよ。

言葉じゃ足らないの。職人魂っていうのはね。

バブルが弾け飛んだ日から、いままで、コストを抑え込める狙いと、これからの市場の拠点が、アジアに集中するという見通しから、製造業の工場が、国内から離れていった。

この影響は、計り知れなかった。

腕のいい職人を抱えていても、その人たちを介して創られた品は、高く売らなければいけなくなる。

これじゃあ、生き残れない。だから、すまないが、辞めてくれ。

当時の企業は、生き残るために、「手元の宝」を捨てて、「利」を取った。

「職人魂」は、「お国のために身を賭して励みます」ではありません。

この国のために

なんてない

「国」は、場所でもなく、大地でもなく、国家でもないから。

何もかも、

場所も、大地も、国家も、根幹から失ったとき、そのどん底から這い上がって、立ち上がった人間たちが、昔いました。

私が、この世でもっとも大嫌いな人間たち。父と母です。

戦後を生き抜くために這い上がってきた人間です。

奇麗事では、這い上がれない。

聞きたくもない過去聞かされた。辟易してた。だけど、この二人を介護する日がきて、振り返れました。

奇麗事にしか聞こえなかった言葉

お国のために、私達は、がんばってきた。

今は、この「お国」という言葉が、普通に、この場所とか、大地とか、国家とかに変換できません。

なんだろう、言葉にすることがとても難しいのだけど

肩書きも、財産もなくしたのに、生きている。

だから、生きれる。

それを、信じれたんじゃないだろうか?

どこを見渡しても、占領軍と 国を失った貧乏で、ぼろぼろで、汚らしい身なりの人間たち。

こういうとき、笑うしかないんです。泣いたって戻ってきやしないのだから。

笑って、悔しさを胸に秘めて、「生き抜いてやる」「奪い返してやる」って、思ったんじゃないだろうか

だってね。戦後を生き抜いた人たちと話してて、そう思ったの。

それで

そのとき、同じ思いで一つになれたんだろうと思うの。

「この国を立て直すぞ」って、みんな、同じ悔しさだったから、立ち上がってこれたんだと思う。

何もかも失ったから。

うまく表現できなくてごめんね。汲み取ってくれたら、ありがとう^^

それで、「職人魂」なんだけど、「お国」のためにあるんじゃねーって言ったけど

「職人魂」は、戦後の「生き抜いてやる」「取り戻してやる」って言った言葉に込められていると思う。

みんな、ぼろぼろで、なんにも食べ物もなくて、泥まみれで、

「義務ミーチョコ」といって、アメリカ軍の車から投げ落とされる「チョコ」拾い集めてる浮浪児。

このままじゃ、あの子達が笑顔になれる未来はやってこない。って思った人たちが、俺たちが、なんとかしなきゃ。って思ったから、立ち上がった。

それが、この国の「職人魂」だと思う。

これを、君に捧げます。

自分が楽しめるためだけに

自分が生きて暮らしていけるためだけに

それの何が悪い? 俺は、神だ。神は、俺を選んだ。

俺は、いまのこの世界に選ばれるだけの人間だ。

じゃあ、君は、神に選ばれた人間なら、未来の子供たちのために、何ができる?

あなたが得たものは、ちゃんと実を結んでる。一つ一つの結果が付いてきたから、今の大きな一つの結果がある。

そこで終わりじゃないよ。

あなたが、あなたを振り返る時は、必ず来るわ

私は、信じてるから。