筆を折った私が、偉そうなこと言えないけど。伝えたい。
絵というものに初めて触れたのは、父の実家に帰ったときのこと。
いとこが集まって、画用紙に、水彩絵の具で、色を付けていた。
絵の具を見たのは、それが始めてで、3cmぐらいの丸い形の絵の具が、12色パレットに配置されていて、水で塗らした筆で、こすって色を出すタイプの絵の具だった。
すごく不思議に思ったのが、互いの色が、混じって、別のまったくそれまで存在したことのない色に変化する。
どこから出てきたの?この色。色が動いてる。生きてるの?これ
いとこは、みんな笑って、
「みてて。こんな色も出て来るよ」
手品みたいに、次々と、いろんな色が塗られていく。
どこに、そんな色あるの?どうやって出してるの?
そう聞いても、笑ってて・・・
実家での体験のあと、あれと同じ物ほしい。って言ったかな。母には、言えなかった。
すごく高い物だったらしく、怒られた記憶があるーー;
忘れられなくて、ずっと忘れられないまま、小学生になったとき初めて、チューブ絵の具と出会う。
私は、色だしが下手で、どうしても、思うような色が出せず、いつもこう思ってた。
「いとこのあの絵の具さえあれば、私にだって手品出せるのに」
色は、妄想で描いてた。どうしても、色が思うような色が出せない。
だけど、描きたい。気持ちが選考して、ずっと、鉛筆でかきつづけた。
墨にも興味を抱いた。
文字が、太さが変わる。どうして?!なんで、ひげがあるの?!
すごく衝撃で、墨文字で、色々試してみた。
こうすれば、ひげになり、こうすれば、雲になるんだ。
気がついたら、木々をかきあげてて、先生から、「文字は?今は、美術の時間じゃねぇーぞw」と、笑われたけど、「よく描けたなw」と笑ってた。
妄想してた。たぶん、あれは妄想。
ふすまを観たら、人が出てきた。挨拶した。こんにちわ。
お。笑った。描いてみよう。
天井を観た。目がこっちを観てる。あれ?なんか挑戦的。
そのままで。じっとしてて。描いてみよう。
この坂いいなぁ・・・ でも、あの木入れたい。悪いけど、木入れるね。
お。この坂には、この木が合うなぁ。描いてみよう。
そんな調子で過ごしてた。
それが、一番楽しかった。描く喜びよりも、出会ったことが嬉しいから、そのときの思いを残したくて、「描きたい」って思った。
描きたいと思うときは、必ず「出会い」がある。
身体障害者で、まわりの同僚から、いじめを受けていた人がいた。
彼女は、人に対して、すごく警戒心強くて、心をなかなか開いてくれなかった。
彼女の笑顔を見たかった。
彼女は、ディズニーランドに行ったときのことを話してくれて、そのときの写真を見せてくれた。満面の笑みでね。
初めてみる笑顔だった。思わず、描きたいって思った。
でも、描かせてくれなかった。
だから、彼女が笑顔になるディズニーランドの写真をみて、これを描こうと思った。
彼女が笑顔で居続けてほしかったから。
私は、彼女を笑顔にしたいから、描く。って決めて描いた。
私は、ある人に、描きたい気持ちを聞いてみたことがある。
返答は、「描きたい」気持ちではなく、「系統」だった。
俺は、デザイナーな。
そういうのは、デザインって言わない。
「系統」なんて、「描きたい」って気持ちに、系統なんて意味があるんだろうか?
私は、ゲームにしても、絵にしても、それは、それでしかない。って考えしか持たない。
めんどくさいから^^v
だって、やりたいゲームが、たまたまRPGって系統だった。
ただそれだけのこと。
描きたい。だから、描いた。たまたま、それが、「絵」という物として形になった。
ただそれだけのこと。
あなたは、自由だよ。
自由を奪うのは、こんなときだよ。
「私が、描けと言っただろ!それで、お返しが浮くんだよ。さっさと描け!描け!」
そう言って、叩かれる。
描くまで、叩き続ける。
描きたくなくても、描かなければ、解放してくれない。
私は、何度も筆を折ってる。
描きたくても、描けば叩かれる。見つかれば、監視される。
鷹が縁起がいい。鷹を描け。
上り鯉描け。
私は、抵抗したよ。自由に描きたいから。
でも、恐怖が残るんだ。
あるとき、まったく描きたい気持ちが起きなくなった。
描けば、また争う。
だから
あなたは、自由だよ。
思いのまま、描いてほしい。