サンタさんにお願い。砂漠に山を置いて下さい。

砂漠の気候は、日中が、50から60度ぐらいの高温な上に、砂ばっかなので、乾燥が激しい。夜は、その反対に、氷点下まで気温が下がる。その気温差で、空気中の水が、水滴となって、砂の大地に浸透するけど、日が開ければ、太陽によって、急激に温められ、それによって普通なら「雲」ができるところが、「超急激」に焼かれるから、水→水蒸気→雲→風の段階を踏まず、水→水蒸気→風になる。

急激な温度差は、優しい風を作らない。嵐になる。

遮るものさえあれば、緑は根付くのに、風によって飛ばされる。風によって空気中の水分も飛ばされる。

どんなに緑を根付かせようとしても、この風が、邪魔をする。

普通なら、この風が、雲を呼び寄せ、雲を作り、雨を降らせるために必要な「命を繋ぐ運び手」なのだけど、この風を調整する「山」が存在しない限り、無理なんだ。

山っていうのは、「命の棲家」であり、風を強くもし、やわらかくもし、風によって集まる水蒸気を集めて「雲」ができる場所を提供している。

山の木々は、山が乾燥しないように、棲家を守ってる。

山っていうのは、そこにただあるものではなく、そこに居て、命を運んでる。

砂漠の砂をどんなに積み上げたところで、「山」にはならない。

地下水を生み出している層は、一層ではないから。

地下水は、

元々、風が集めてきた水蒸気が雲となって、大地に降り注いで、その中で、山を通って、ろ過されたものが、湧き水となって、あふれ出し、川の源流を作り出している。そうして、山の傾斜を利用して、地上に流れ落ち、山で作られた有機質の成分も含んだ水が、山を中心に、周辺に、肥沃な大地を生み出す。

風をやわらかくできたら。

日だしを遮る「日陰」を作れたら。

砂漠に適応するために、進化した仲間たちに時間を与えられたら。

砂漠に、絶対乾燥させない、気温差にも耐え切れる、砂嵐を消し去るうねを持った山を、置きたい。

人間の手で、不耕作地にした末、砂漠化を招いた責任は、最期まで、人間が責任をとらなければいけない。

わたしが、もしサンタなら、砂漠に、山を置いてくる。

それができないから・・・

サンタさんにお願いします。

山を、プレゼントしてください。